DS223 お勧め具合 メリットやデメリット Synology NASならではアピール点など

DS223の魅力 お勧め具合 結論から

予算があるなら、DS224+かDS723+を検討しますが、それ以外のSynology NASの2ベイ製品の中では、推せる製品です。
Synology NASのこのクラス(DSシリーズ)は、RAID用の専用ハードウエアを備えてません(RAIDはソフトウエアの仕様に案内でソフトウエアRAID)。
ハードウエアRAIDは、CPUの負荷を減らし、アプリの実行速度を上げる事ができますが、ソフトウエアRAIDでもファイルサーバーとして使うのであれば十分です(アプリだってちゃんと動く)。
DS124ではRAID処理を行わない(1ベイモデルな)ので、アプリの実行速度が期待できるとしましたが、DS223でもRAIDを行わないという選択はできます(DS124のように使える)。
逆に言えば、DS223の魅力は、RAID構成も行えるという点になります。
DS124の紹介で、自分はRAIDを必要としていないと話してますが、Synology Hybrid RAID(SHR)は容量の異なるディスクでRAIDが組めますので、試してみたい気持ちはあります。

Synologyの全製品で言える事ですが、最大の利点は、Synologyから提供される無償のアプリケーションが多数あることです。これらの各種ソフトウエアを無償(有償もあり)で使えます。

個人的な話：DS120jに6TのHDDを入れて使ってますが、空き容量は減る一方(当たり前な事ですが)。2べい機にすれば良かったと思うことはままあります。

Synology(シノロジー) DiskStation シリーズ

Synologyは、NASやストレージ製品のソリューションを提供する台湾企業。
DiskStationはデスクトップタイプのNASシリーズ。
NASはネットワークに接続するデータ保管場所(データストレージ)。
主に以下のような用途に使用されます。
データの共有(ネットワーク内でどのパソコン等からアクセスできる)。
データの保管(パソコン本体にデータを保存しない、外部デバイス。携帯の写真のバックアップ)

新製品 DS223 2023年1月に発売 2ベイオールインワンNASキット

DS223製品公式ページ

2ベイオールインワンNASキット

この製品は、HDD無しで販売されます。
販売店でセットにする場合もありますが、HDDを組み込んでセットアップする「キット製品」です。
HDD内蔵のNASの場合は、主要なソフトウエアは組み込まれていて設定するだけなのに対し、DS223は、HDDをセットした後に主要なソフトウエアのインストール・設定を行って使用する事になります。

DS223はHDDを2台内蔵できる2ベイモデル。
HDDはSynologyに推奨リストがありますので、その中から購入することをお勧めです。

RAIDの必要性について

データのバックアップは、別に行った方が確実です。
RAIDでの冗長化は、1世代のデータが戻せる可能性があるだけです。
壊れ方にもよりますが、データが壊れている事に気づいた時には、データが壊れたまま二重化されているとか冗長化されていて、データを復元できないことがあります。
また、正常に修正・削除をされたデータを復元することはできません。(ファイル単位とか、フォルダ単位での復元)
DSM(Synologyのバックアップソリューション)では、複数世代のバックアップが行えますので、データが壊れる前に戻すとか、誤って修正・削除された単一ファイル。フォルダの復元も可能になります。

主要スペックと説明

CPU

64ビットCPU。
FPUあり(浮動小数点演算用の回路)。
DS124と同じCPUです。
RTD1619の仕様(RTD1619Bという型番では見つからなかった)

DS220jは4コアのRealtek RTD1296(1.4GHz)でしたから、1コアあたり0.3GHzの向上、全体で1.2GHz分の処理能力が上がっています。
加えて、Cortex-A55は、Cortex-A53(RTD1296)に比べて2倍の性能向上があるとされています。

メモリ

DS220jはjモデルらしく、DDR4 512 MBでした。ファイルサーバーとして使う分には良いのですが、アプリケーションを動かすには控えめな容量でした。
DS124のDDR4 1GBなのでアドバンテージがあります。

HDD接続

SATA2.5″ SSDは、別売りの 2.5″ ディスク ホルダーにて対応
SATA3の実効転送速度は600MB/s。
理論値は最大6.0Gbps=750MB/s(6,000/8)

ネットワーク

LANの実効転送速度は110MB/s程度が期待できます。
GbEはGigabit Ethernetの略
1Gbpsの伝送速度。
1秒間に1ギガビット、ビットは0(OFF) or 1(ON)の2進数1桁で、8ビットで1バイト(英文字1つ)。
計算上は、1Gbps=125MB/s(1000/8)
HDD or SSD接続のSATAは、データ転送速度が最大600MB/s、単純な処理では、LANのスピードで律速します。
（一番遅いものに合わせて処理は進行します）
HDDなら実効転送速度が100〜200MB/s程度ならバランス良い仕様です。
SSDなら、600MB/s近く出るものもあるので、SSDを使うこと自体に意味がありません。

USB IPカメラ

USB2.0の転送速度は480Mbps(60MB/s)
USB 3.2 Gen1は5Gbps(625MB/s)と、約10倍の速度向上になっています。
(実効速度は500MB/s程度)

H.264、H.265をサポートしています。
H.265はH.264の後継規格で高品質・高圧縮になっています。
カメラ側の仕様でH.264だったりH.265であったりします。

DSM(DiskStation Manager)

DSMは、SynologyのNASの管理画面を含むシステムの名称。
SynologyのNASを購入することは、このDSMとそこで動くアプリケーション（ソフト）を手に入れる事でもあります。
Synology公式：Synology DSM 概要

全てのアプリケーション
アプリケーション毎に例外もあります、概ねスペック起因です。
使いたいアプリがあった場合は適用機種を確認してください。
「Antivirus by McAfee」は適用機種がDSシリーズの中だと「+」シリーズだけになります。DS124は適用外です。
「Synology Photos」には顔と物体の認識機能がありますが、これも適用機種があります。DS223は顔認識のみ適用されます。
DS223には関係ありませんが「Antivirus Essential 」はメモリが512MB 以下のモデルは性能に影響を受けるとあります。

DS220j DS223 比較

機能的には同じ事ができますが、多くのスペックアップがされていますので、予算が許せばDS223推しです。ただし、DS220jから買い換えるほどではないと思います。
もしDS220jに不満があるのであれば、不満の内容にもよりますが、DS224+や、それ以上のモデルを検討した方が良いかもしれません、

CPUは動作周波数が上がっています。
アーキテクチャも新しくなり、最大46%の向上が見込めます。
後述「CPU ARM の話 Cortex-A53 対 Cortex-A55」に詳しい

メモリは4倍です。512MBでも支障なくアプリは動作しますが、複数のアプリが動作する場合、メモリ不足からスワップ(メモリを退避させて動作メモリを確保する)が発生して遅くなることもあります。
使い方や利用人数次第で印象は変わります。

USBの使い方次第。
ウチでは、外部ドライブに1台、バックアップ用ドライブに1台使用。
そのうちIPカメラを繋げて見たいと思っているのですが、その時はNASも買い替えたい(増やしたい)と思ってます(ウチはDS120jなので、スペック的にどうかな、と思うのです)。