購入 比較
中途半端なスペックと思っていましたが、8500Gを購入しました。
8500Gは、Zen4 x 2 + Zen4c x 4の6コア。NPU無し、AMD Radeon™ 740Mコア数4というスペック。
AM5対応CPU&GPU内蔵で一番廉価なのが8500G。
最大レーン数が10で、ビデオカード用に使えるのは4レーンしかないのは注意点。
個人的には「買う人は少ない」と思ってましたが、まさか自分がこれを選ぶ(購入)とは、ビックリ。
メモリがDDR5対応がよし。
ソケットAM5なのでAMDの次期プロセッサーへも載せ替えが可能。
AMD Ryzen 8000シリーズ
一次情報は、以下のAMDページ。
AMD Reveals Next-Gen Desktop Processors for Extreme PC Gaming and Creator Performance
Ryzen 8000Gシリーズはデスクトップ用プロセッサー。
北米において1月31日に発売。
日本での発売は2月2日(金)。
Ryzen 8000FシリーズはGPU非搭載モデル。
8000GとRyzen 7000シリーズとの違いは、
・製造プロセス4nm(TSMC 4nm FinFET <- TSMC 5nm FinFET)
・8700G、8600GにNPU内蔵(Ryzen AI、AIアクセラレーター)
・8500G、8300GにZen4cコア採用
・内蔵GPUのグレードアップ(RDNA3 <- RDNA2 2コア)
・PCIe 対応バージョン4.0(5.0はプロセッサーとして対応していない)
・最大レーン数16(8500G、8300Gは10レーン)
・L3キャッシュは半分(Ryzen 7000シリーズ比較)
8000FとRyzen 7000シリーズとの違いは、
・製造プロセス4nm(TSMC 4nm FinFET <- TSMC 5nm FinFET)
・8700FにNPU内蔵(Ryzen AI、AIアクセラレーター)
・PCIe 対応バージョン4.0(5.0はプロセッサーとして対応していない)
・レーン数16(ビデオカードに8レーン使用できる)
・L3キャッシュは半分(Ryzen 7000シリーズ比較)
8400FはZen4cを採用と思いきや、スペックに記載がないので案内保留。
AMD CPU Ryzen 7000シリーズについてはこちらをご覧ください。
AMD Ryzen 8000G、8000Fシリーズ 価格
発売前なので日本価格は不明。
参考として、AMD Ryzen™ 7 8700Gは$329と案内されています。
発表価格 | 日本での 想定価格 | 参考価格 | |
AMD Ryzen 7 8700G | 329$ | 57,800 | 57,800 |
AMD Ryzen 5 8600G | 229$ | 39,800 | 39,800 |
AMD Ryzen 5 8500G | 179$ | 29,800 | 29,800 |
AMD Ryzen 3 8300G | – | – | – |
AMD Ryzen™ 3 8300GはOEM製品向けなので価格が出ていません。
AMD Ryzen™ 5 8600Gで229$か、安いと言えば安い、高いと言えば高い。
日本での想定価格は、1/30日時点の各メディアの案内価格。
バランスの良いプロセッサーだと思います(あまりGPUに興味がないので)。
GPUをリッチにしたい人は、やっぱり7000シリーズのプロセッサーになると思います。
NPU(AMD Ryzen AI)に興味はあるのですが、何ができるのか不明です。
AMD Ryzen 8000FシリーズはGPU非搭載モデル。
参考価格は2024.6.4時点
Zen4 Zen4c コア数、スレッド数、基本クロック、最大ブーストクロック
コア数 | スレッド数 | 基本(ベース) | 最大 | |
AMD Ryzen™ 7 8700G | 8(8:0) | 16 | 4.2GHz | 5.1GHz |
AMD Ryzen™ 5 8600G | 6(6:0) | 12 | 4.3GHz | 5.0GHz |
AMD Ryzen™ 5 8500G | 6(2:4) | 12 | 4.1GHz 3.2GHz | 5.0GHz 3.7GHz |
AMD Ryzen™ 3 8300G | 4(1:3) | 8 | 4.0GHz 3.2GHz | 4.9GHz 3.6GHz |
()内は、「Zen4コア数:Zen4cコア数」
AMD Ryzen 5 8500Gは、Zen4 x 2 + Zen4c x 4の6コア。
AMD Ryzen 5 8300Gは、Zen4 x 1 + Zen4c x 3の4コア。
上段:Zen4の周波数
下段:Zen4cの周波数
L1キャッシュ、L2キャッシュ、L3キャッシュ、TDP – 仕様(スペック)
L1 | L2 | L3 | TDP | |
AMD Ryzen™ 7 8700G | – | 8MB | 16MB | 65W |
AMD Ryzen™ 5 8600G | – | 6MB | 16MB | 65W |
AMD Ryzen™ 5 8500G | – | 6MB | 16MB | 65W |
AMD Ryzen™ 3 8300G | – | 4MB | 8MB | 65W |
AMDも言うようにZen4とZen4cの機能実装は全く同じで、高い動作周波数用に最適化されたZen4に対し、Zen4cは低消費電力向けに最適化されているとされています。
キャッシュ容量に差もあると思ってましたが、Zen4とZen4cで差は無いようです。
(Zen4cが4コア含む8500GとZen4コアのみの8600GのL3キャッシュサイズが同じ。逆に、Zen4のL3キャッシュを少なくしただけの可能性もありますが)
Zen4cは、Zen4よりL3キャッシュ(面積)を35%〜50%少なくしてダイ面積を縮小した記事は多いのですが、Ryzen 8000Gを見る限り、Zen4cの要件はL3キャッシュサイズには無いようです。
実行パイプラインを浅くすればトランジスタは削れるだろうし、動作周波数を引っ張るのは大変にしても低消費電力では効率も上げられるのかもしれない。機能が同じならハードルは低いのだろうか。
L2:1コアあたり1MBでRyzen 7000シリーズと同じ。
L3:Ryzen 7000シリーズの半分。
気になるのは、8700Gと8300GはL3が1コアあたり(共有キャッシュなので意味はないが)2MBに対し、8600Gと8500Gは2.66MBあって、若干多い事。これはRyzen 7000と同様の傾向です(Ryzen 7 7700との比較で、7700は32MBもあるのであまり気にならなかった)。
CPUクーラー
CPUクーラー | CCDサイズ | |
AMD Ryzen™ 7 8700G | Wraith Spire | 178mm² |
AMD Ryzen™ 5 8600G | Wraith Spire | 178mm² |
AMD Ryzen™ 5 8500G | Wraith Spire | 137mm² |
AMD Ryzen™ 3 8300G | – | 137mm² |
AMD Ryze 3 8300GはOEM販売のみ。
他の製品のリテールパッケージにはCPUクーラーが同梱。
Wraith Spireは同梱のCPUクーラーの名称。
内蔵グラフィックス、GPUコア数、GPU周波数 – 仕様(スペック)
GPU | GPUコア数 | GPU周波数 | |
AMD Ryzen™ 7 8700G | AMD Radeon™ 780M | 12 | 2900 MHz |
AMD Ryzen™ 5 8600G | AMD Radeon™ 760M | 8 | 2800 MHz |
AMD Ryzen™ 5 8500G | AMD Radeon™ 740M | 4 | 2800 MHz |
AMD Ryzen™ 3 8300G | AMD Radeon™ 740M | 4 | 2600 MHz |
Ryzen 8000Gシリーズの2大特徴の1つ(もう1つはAI Engineの内蔵)。
内蔵GPUのアーキテクチャがRDNA 3になり、コア数、動作周波数も高めです。
AMD Radeon 7xxM:AMD Ryzen™ Processors(RDNA 3)
Ryzen 7000シリーズでは、AMD Radeon Graphics(RDNA 2)
Ryzen 5000シリーズでは、Radeon Vega
Ryzen 7000シリーズにはほぼ全てにGPUが内蔵されていますが、アーキテクチャがRDNA2で、内蔵が2コア、動作周波数も控えめです。
APUは、GPU内蔵のプロセッサーを指していましたが、Ryzen 7000シリーズはAPUとは呼ばれてません。ゲーム以外の用途には十分で、使い勝手の良いプロセッサーですが、Ryzen 8000Gシリーズは外付けグラフィックスボード(2万円程度)と同等か、それに迫るスコアが期待できます。
NPU性能 AI Engine Capabilities(パフォーマンス)
Ryzen 8000Gシリーズの2大特徴の1つ(もう1つは内蔵GPU)。
AMD Ryzen™ AIと呼ばれてます。
AMD Ryzen™ 7 8700G、
AMD Ryzen™ 7 8600Gの2製品のみ内蔵。
Performance:Up to 16 TOPS
アーキテクチャ:XDNA
プロセッサー全体ではどれほどなのかは不明です。
iPhone A11は0.6TOPS
iPhone A12は5TOPS
1テラは1兆=1,000,000,000,000
整数演算回数(秒間)になります。1秒は長いから。
このスペックで何ができるのかは、調べたけどわかりません。
ただ今後のプロセッサーの主戦場になりそう(AI用のエンジン搭載、スペック)で、AMDでも次期プロセッサーでは40TOPS以上(3倍目標)とされています。
Connectivity USB
ポート数 | 転送速度(最大) | 転送速度(最大) | |
USB4 | 2 | 40Gbps | 5000MB/s |
USB 3.2 | 2 | 10Gbps | 1250MB/s |
USB 2.0 | 1 | 480Mbps | 60MB/s |
USBについては、全製品同じ。
USB4対応のマザーボードは、高価格帯な感じですが、Ryzen 8000Gを載せるにはバランスが悪く思います。低価格帯のマザーボードでUSB4対応が見当たらない。
AMDのスペックページは、USB 4とUSBの後ろにスペースが入ってますが、USB4では、USBの後ろにスペースを入れないのが正しいようです。
また「USB 4.0」も正しくないようです。どうして USB 4.0にならなかったのか不思議です。
Connectivity PCI Express
Version | レーン数 | |
AMD Ryzen™ 7 8700G | PCIe® 4.0 | 20 / 16 |
AMD Ryzen™ 5 8600G | PCIe® 4.0 | 20 / 16 |
AMD Ryzen™ 5 8500G | PCIe® 4.0 | 14 / 10 |
AMD Ryzen™ 3 8300G | PCIe® 4.0 | 14 / 10 |
使用可能レーンが最大16レーンです。
PCIeのバージョンも4.0です。
マザーボード(チップセット)が5.0対応でも、動作は4.0になります。
また、マザーボード側でレーン24本仕様になっていても16本までしか利用できない勘定です。
m.2_1 1×4 + グラフィックス 1×8これで12レーンです。
グラフィックス 1×16は無理になります。
機能満載てんこ盛りのマザーボードではもったいなくて使えません。
8500G、8300Gに限れば10レーンしかありません。
レーン数:Total/Usable
組み合わせるチップセット、マザーボードについて
ソケット AM5対応チップセットは、X670E,X670,B650E,B650,A620です。
前述の通り、PCIeレーン数の少なさから、B650以上のチップセットのマザーボードではオーバースペックになります。
PCIe4.0 1×16のグラフィックスボードを使用するつもりがあれば、Ryzen 7000シリーズのプロセッサー+マザーボードを選ぶ事になります。
Ryzen 8000Gシリーズで考えるならば、A620チップセットのマザーボードが最適になると思います。
チップセットA620採用 マザーボード メーカーラインナップ比較
上記を参考にしてください。
AMD CPU Ryzen (ライゼン)とは
AMDの現行CPU(2024年)はRyzen(ライゼン)と呼ばれるシリーズで展開されています。
マイクロアーキテクチャのZenが発表されたのが2016年、生産開始が2017年。
製造プロセスでは6世代が過ぎました。(Ryzen 8000Gシリーズまで)
以下にRyzenの歴史と現在をまとめました。
AMD CPU Ryzen (ライゼン)とは
コメント